2023年9月13-14日にシンガポールで行われたTOKEN2049に去年に続いて参加しました。
まずはブース出展の様子から。去年は金融かNFTかくらいの区分けでしたが、今年は特定の分野にフォーカスしたソリューションも多く紹介されていて、業界自体に厚みが出てきている印象でした。
- Steller, Ripple, Tronなどのチェーン
:クリプトユーザーや開発者向けにコイン自体のプロモーションはもちろん、アプリレイヤーやウォレットプロダクトを紹介してました。クリプト自体が市況的にダウントレンドの中で、チェーン自らがエンドユーザー向けのユースケースを増やそうとしている傾向が強まっているようです。数は多くなかったですが1つ1つのブースが大きく、来場者の注目を集めていました。
- DeFi、DEXなどのマーケットプレイスやトレーディングのためのウォレットアプリ
:やはりユースケースの中心はファイナンスか、出展企業の数で言えばこのジャンルが最も多かったように思えます。”Maket Makers”をキーワードにトークンを上場させるサービスを展開しているプレイヤーも多く見られました。
- 個人インベスターやクリプトVC向けのアセット管理ツール
:複数チェーンにまたがるアセットの管理の一元化を行うツールの提供者。このエリアでは”セキュリティ”というキーワードが多く見られました。
- B2B向けSIer、コンサル系
:Web3に関わることならなんでも開発、助言できます系のプレイヤー。それぞれが企業独自のカストディアルウォレットやアプリケーションを作るサポートをできる製品を持っていて売り込んでいました。それぞれのプレイヤーの独自性はあまり見られませんでした。
- インフラ
:分散型データベースやミドルウェアなどテクニカルなインフラ系。
- GameFi, NFTなどのプロジェクト系
:去年多く見られたNFTマーケットやマーケットアグリゲーションなどはほとんど見られず、プロジェクトベースの出展がいくつか見られました。去年から比べると数はグッと減った印象です。
- その他IoT
:グルーピングが難しいですが、リアルとの体験を絡めたプレイヤーのブースにはデモのための列ができるほど多くの人が訪れていました。例えばカード型のハードウォレットのTengem、デジタルツインとハードウォレットを合わせたneo、網膜情報からウォレットを作成するWorld coinなどです。
セッションでは、DeFiやAIを絡めたテーマが多かった印象です。一番関連性を感じたのは”CryptoのNEXT Wave”というセッション。日本でも少し話題になっているFriend Techの事例などを交え、Social体験と金融体験の壁がない体験を提供できれば、既存の世界では実現できなかった利便性をユーザーに届けられるのではないか、多くのユーザーのオンボードを助けられるのではないかといった議論が展開されていました。
セッションの出演者がスタートアップのCEO中心で、去年多くいたVC系が少なく見えたのはやはりAIに押されているのかもしれません。
全体を通して、昨年より展示スペースが増えていたり、セッションもメインステージ以外の環境が改善されていたり、より成熟していた印象を持ちました。Bear marketと言われる中で大きなバズワードがないことが、逆に多様性のある出展企業を生んだのかもしれません。
24karatは引き続きWeb3の進化に注目していきます!